価値あるマスターカード
スペースの活用度合いをチェックし、スペースコストの妥当性を判断する最初に実施するのは遊休スペースの探索です。
建物の中を図面片手に一度くまなく見回ってみてください。
一日中人の出入りや存在もなく、かといって倉庫や書庫として決められたわけで、もないスペースに出会うことがあります。
あるいは、賃借ビルで、賃借料を支払っているのに今まで誰も気付かず使われていないスペースが見つかることがあります。
これが遊休スペースです。
さらに、組織改正で一部の部署が移動し、その埋め合わせが決まらずに空き状態のままで取りあえず放置されているスペース=空きスペースも見つかることがあります。
空きスペースは一時的に了解しながら認知していることが多いのですが、その状態が長く続きだすと空き状態が既成事実化することがあります。
このようなスペースは賃料を支払っているのに使われていないという、収益を生まないばかりかコストだけが発生する全く無駄なスペースです。
一人あたりの有効面積値が不自然に高かったりするとこの状態が発見されることがあるので図面と照合しながら定期的にスペース点検を行うことをお勧めします。
ある会社のケースでは、同じフロアの隣に賃借する別の会社が、当該会社との聞に間仕切り工事を実施したところ、契約上は壁芯なので、柱の中心線に沿って間仕切り壁を設置するところを、柱の端(当該会社側の端)にあわせて間仕切ったため柱芯と柱面との寸法差の分だけ賃借料を余分に支払っていた(別企業が使用しているスペース分を支払っていた)ことが何年も後になって見つかったことがあります。
10年間気付かず、に支払っていたら1620万円もの損失を会社に与えていたのと同じことになります。
このような事実の発見があるかもしれません。
現場を歩いてみてください。
さらにキャッシュ・イン・フローを見積もった時に、賃借料と比べて採算が合わないスペースが出てきます。
はたしてそのスペースは、その場所に存在しなければならないのでしょうか?スペースの縮小とともに検討されなければならないのはその場所でなければならないか、という必然性です。
選択股として、他の場所への移転は検討余地があります。
移転については、後に述べることにします。
「個室スペース」とは、まわりを壁や間仕切りで囲われたスペースをさし、これに対する反対語として「オープンスペース」があります。
企業により、部門により、個室として使用するスペースは多種多様で、電算室や研修室などの特殊スペースはその専門性、特殊性のためにスペースのチェックがなされない企業も多いようですが、FM担当部門はこうした特殊スペースについての専門知識も取得し、他のスペース同様に評価を行うことが必要です。
個室となったスペースは、囲っている壁や間仕切りを取り払うのには費用がかかるし、一度設置された個室はいわば治外法権や既得権などの利権スペースと化してしまい縮小や廃止するにはかなりの抵抗が発生します。
一般的な(大抵の企業にはおおかた存在する)個室スペースの中で、見直し検討の効果のある3種類について、その頭文字をとって個室スペースS/M/Lとして改善検討のポイントを以下に取り上げます。
ここでいうSとはストックルーム、つまり倉庫や書庫室・保管庫室のことです。
不要物の集積場と化していたりその個室へ入れられた書類が二度と誰の日にとまることもなくなったりするのはどこの企業にもありがちです。
その個室が設置された当初は.その部屋の利用ルール、書類やモノの保管ルールを決め、管理者を設定することも決められていたのでしょうが、時がたつにつれ担当者が変わるにしたがってルールは風化し、ゴミ捨て場のようになっている状況はよく見受けられます。
このルールの原点はレコードマネジメントであり、ポイントは「廃棄」にあります。
書類やモノの保管期間を定めることは当然ですが、現状ルールが定められていない場合、まずいかに廃棄処分するものを抽出できるか、にあります。
この成功のポイントは一定期間を定めてその部屋にある書類やモノに対し、必要だと思う人がその書類やモノを選別して「残す」方法です。
廃棄のルールを決めるのに、なぜ「残す」方法をまず考えるのか、と思う方もおられるでしょう。
人間の心理として、不必要なもの・捨てるものを選別せよ、と言われるとどれも捨て難く取りあえず残して置こうとなるものです。
しかし、この方法だと、自分が必要と判断できるものだけを選別すればよいので、担当者は誰にも選別されなかったモノから共用で保管する必要のあるモノだけを選則すればよくあとは必然的に廃棄処分できるのです。
スペース見直しのポイントは、体系的保管・廃棄ルールに基づくレコードマネジメントを再度確立すること、にあります。
まず、このルールを決め、各部署に担当者を設置し、ルール説明の後一定期間の聞にこの廃棄を実施し、棚卸日などを利用して書庫・保管庫を含むスペース内の整理、ルール化を実行するのです。
そして、ルーチン化し、定期的に実施するよう心がけましょう。
移転や引越しの時は最大のチャンスです。
移転計両と同時にレコードマネジメントの再ルール化、廃棄実行を行い、Sスペースの利用に応じた部署へのスペース利用料の徴収を開始しましょう。
ここでいうMとはミーティングルームつまり会議室のことです。
このスペースは会議で使用されている聞は有効ですが使われない時聞が多いと遊休スペースと化してしまいます。
逆に会議の多い会社は会議室の予約を取るのが大変です。
だからこそ、新しくオフィスを創る時は、各部署独自の会議室を確保しようとしたり(部署単位の会議室があることが既成事実になっている組織体もある)共用の会議室は広すぎたり狭すぎたり常に利用者からは不満の種になるものです。
これも、会議室利用のルールや予約システムを確立し、効率良い運営を行うことが第ーです。
それには何人用の会議室が使用率が高いのか、つまり会議室のサイズ別の利用度を調査しそれに併せた必要サイズ別会議室の設置を行うことです。
こうして、会議室の稼働率を高めたり、自社内で会議室を持つことは止めて外部の会議室利用を促したりすることが重要です。
あるいは、執務スペース内に打合せ場所を適度に設置したり、食堂を食事時間以外は打合せスペースとして開放したりして、必ずしも個室を必要としない打合せのスペースを確保する手段を考えてみることが重要です。
もっと重要なことは.Iその会議は行う必要がある会議なのかどうか?」という問いかけをしてみることです。
もっともこれは意思決定の仕組みや業務遂行の在り方と大いに関係するので、業務分析を実施し、コミュニケーション・コラボレーションの在り方を根本から考え直す必要があります。
ここまでくるとFM担当部門の守備範囲を超えてくるかもしれません。
経営体質も関係するでしょうし、社風・企業文化からくるものかもしれません。
報告・連絡・相談などを会議名目で実施しているなら、スペースの問題というよりもむしろ経営のあり方の問題でしょう。
投資の費用が必要になりますが、グループウェア等の活用を検討してみるのも一考です。
会議室使用に対する利用料を徴収することはスペースコスト意識醸成のための第一歩です。
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